

混雑ゼロの清流・富田川で遊ぶ夏旅|熊野古道の入口「滝尻」で子どもと楽しむ1泊2日
「夏になったら子どもと川遊びをしたい」と思ったことはありませんか?
ただ、具体的に行き先を考えてみると、混雑していないか、駐車場はあるか、着替えやトイレはどこでするかなど、意外と気になることが多く、川探しに苦労しますよね。
そんな夏旅の拠点としておすすめなのが、和歌山県田辺市中辺路町、世界遺産・熊野古道の入口とされる滝尻にある一棟貸切の宿「SEN.RETREAT TAKIJIRI(以下、TAKIJIRI)」です。
宿のすぐ裏に清流・富田川があり、周辺から川へ下りられる場所が限られているため、まるで“プライベートリバー”のような感覚で川遊びが楽しめます。

和歌山産の食にこだわったオールインクルーシブタイプの宿なので、荷物が多くなりがちな子連れの川遊びにぴったり。4室ある各客室に水回りが備わっており、駐車場・着替え・トイレに困ることなく、複数家族や友人グループでも快適に滞在できます。
さらに、熊野古道の入口にある「滝尻王子」にもほど近く、子連れや初心者でも、自分たちのペースで古道歩きを体験できるのも魅力のひとつです。
川遊びと熊野古道歩きを組み合わせながら、自然のなかでゆったりと過ごす。ここからは、“子どもと一緒に楽しむ”をテーマに、夏の1泊2日モデルプランをお届けします。
1泊2日モデルプラン|1日目、清流・富田川で川遊び
大阪方面から訪れる場合は、上富田ICを降りて約25分。国道311号線を走っていると、右手にTAKIJIRIの2階部分が見えてきます。斜面を利用して建てられているため、車道から見えるのは建物の一部だけですが、実際には庭付きの広々とした2階建てです。
Uターンする形で駐車場へ。ゆとりのあるスペースで複数台が停められます。

宿のテラスで、ピクニック気分のランチ
正式なチェックインは15:00以降ですが、川遊びシーズン限定で、予約時にオプションを選択すると、11:00から駐車場やトイレ、着替えのために一部の客室を利用できます。
さらに、持ち込んだ昼食をお庭でいただくこともできます。川越しに広がる森を眺めながら、道中でテイクアウトしたランチをピクニック気分で味わってくださいね。
なお、時間帯によっては、リビングやテラス、一部の客室などで清掃作業が行われている場合があります。タイミングが合えば、写真のようにテラスで過ごせることもありますよ。

客室で水着に着替え、宿のすぐ裏を流れる富田川へ
食べ終わったら、客室を使って、川遊びの支度をしましょう。
客室は1階に3部屋、2階に1部屋。どれも畳に布団を敷く和室タイプです。その日の清掃状況によりますが、少なくとも1室は、川遊びの着替えを目的として利用できます。
各客室には洗面所・トイレ・シャワールームが備わっているので、川遊び前にトイレを済ませ、水着へ着替えるまでの流れもスムーズです。

川遊びの支度が整ったら、1階の勝手口から川に向かいます。

庭を抜けて下りていくと、川沿いの砂利道につながります。

左手に進むと、緩やかな石積みの斜面が見つかるので、そこから河原へ。

ありのままの自然が楽しめる富田川で川遊び
富田川の特徴は、和歌山県内の主要河川で唯一ダムが存在せず、自然本来の姿が楽しめること。アユやアマゴが生息し、初夏の夜には蛍が舞うほどの清流です。
水は澄んでひんやりと冷たく、川沿いを散歩するだけでも風が涼しく心地よいです。

小石が集まって防波堤のように川の流れを遮り、天然のプールのように穏やかなところもあるため、安心して子どもたちを遊ばせることができます。

お気に入りの石を探して集めたり、小さな魚の群れを見つけて追いかけたり。気がつけば、子どもたちに付き添っていたつもりの大人たちまで川遊びに夢中になってしまいます。

少し奥に進むと、流れの速いところやエメラルドグリーンに煌めいて少し深そうなところもあるため、子どもの年齢に合わせて自由に遊び方を広げられそうです。
熊野古道の聖域に近く、自然本来の姿が感じられる貴重な川です。この豊かな自然を未来へ残していけるよう、ゴミの持ち帰りを心がけ、自然環境を守りながら楽しみたいですね。

和歌山産の「おいしい」を堪能する、ガーデンBBQ
めいっぱい川遊びを楽しみ尽くしたら、15:00以降にセルフチェックインをして、宿でゆっくり過ごしましょう。
リビングのテーブルには、和歌山産のお菓子やオリジナル焙煎のドリップコーヒー、翌日の朝食のパンなどがずらり。その光景を前に、子どもたちも思わず目を輝かせます。

冷蔵庫には、BBQ用の食材をはじめ、クラフトビールや梅ワイン、日本酒、ジュース、アイスクリームなど、和歌山産のものが勢揃い。「どれもおいしそうだけど、そんなに食べられるかな」と心配になった方はご安心を。余った分はお持ち帰りいただけますよ。
ちなみに、写真は大人4名・子ども2名で宿泊した際のものです。宿泊人数によって、食事や飲み物の内容やボリュームは異なります。

ひと息ついたら、次はBBQの準備に取り掛かりましょう。
熊野米も用意されているので、リビング横のキッチンで子どもたちと一緒に米を研ぎ、炊飯器をセット。こうした時間も思い出のひとつになりますね。

ご飯が炊ける頃には火おこしも無事にでき、夕暮れとともにBBQの時間に。BBQはテラスではなく、庭にある大きな岩をテーブル代わりにどうぞ。

冷蔵庫にある焼肉のタレ(甘口と中辛)や塩、こしょう、醤油などを使い、お好みの味でいただきましょう。適度に霜降りの入った牛肉や海鮮はもちろん、みずみずしい朝採れ野菜もおいしいですよ。

BBQのあとは、満天の星空のもとで花火
手持ち花火を持ち込めば、宿の庭で楽しめます。花火ができる場所が減りつつある今、TAKIJIRIでぜひ夏らしい思い出をたくさんつくってください。なお、川辺での花火はNGなので、その点だけご注意を。
宿以外の灯りが周囲にほとんどないため、花火が消えると、綺麗な月と星空が広がります。

1泊2日モデルプラン|2日目、熊野古道歩き
10:00までにチェックアウトを済ませ、いざ熊野古道へ。
熊野古道とは、熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)を参拝する熊野詣の道のこと。1000年以上の歴史を持つといわれ、2004年には世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録され、世界各国から大勢の巡礼者が訪れています。
まず、宿から車で約2分の場所にある「滝尻王子」に向かいましょう。熊野古道の案内所である「熊野古道館」の三角屋根が見えたら右折し、右手の奥にある駐車場に停めます。

熊野の神域と俗世を分ける結界の入口「滝尻王子」
総延長1000kmともいわれる熊野古道にはいくつかの巡礼路があり、なかでも中辺路は代表的なルートとされています。そのスタート地点にあたるのが「滝尻王子」です。
滝尻王子は、熊野の神域と俗世を分ける結界の地ともされ、古くから熊野古道の“入口”と呼ばれてきました。熊野古道デビューにうってつけの場所といえそうです。

子連れや初心者向け、滝尻王子からの往復コース
未就学児がいるご家族であれば、滝尻王子から「胎内くぐり」と「乳岩」までを往復する、ゆっくりペースで約1時間の古道歩きがおすすめです。
もう少し歩けそうな方は「世界遺産 熊野古道 中辺路ルート|滝尻王子から近露へ【初心者向け1泊2日モデルコース(高原熊野神社を経由)】」の記事をご参考にぜひ。

さあ、出発! 滝尻王子を参拝し、左手の脇道を進むと、熊野古道の登り口が現れます。

木漏れ日のもと爽やかな風を感じ、野鳥の鳴き声に耳を澄ませながら登っていきます。木陰が続く山道は、都会のビル群とは体感温度がまるで違います。

道幅が狭いところもあるため、滑落しないように無理のない歩調で進みましょう。
道中では、バックパックを背負った欧米系の巡礼者とすれ違うことも多く、熊野古道ならではの国際的な雰囲気を感じられます。子どもたちにとっても、道を譲ったり挨拶を交わしたりする時間は、印象深い体験になりそうです。

木漏れ日と森の香りに包まれる、祈りの聖地
苔むした石積みの階段や、踏み固められ階段状になった樹木の根などもあり、自然の神秘に心を惹かれながら、大勢の人々が長年歩いてきた祈りの聖地なのだと実感させられます。

道中に何度か見事な巨岩が登場するため、「ここが目的地では…?」と勘違いしそうになりますが、もう少し道のりは続きます。

目的地の「胎内くぐり」と「乳岩」で伝承を体感する
案内の看板が見えたら目的地の「胎内くぐり」に到着です。
巨岩にぽっかりと穴が開いており、狭い隙間をくぐり抜けると安産でき、穢れを落とすことで生きながらにして生まれ変わる体験ができるといわれています。

そのすぐ近くに、奥州の武将・藤原秀衡ゆかりの乳岩伝説が残る「乳岩」があります。ここからは道を折り返し、滝尻王子に帰ります。

「高原霧の里」の絶景と「高原熊野神社」の参拝もぜひ
もし時間に余裕があれば、滝尻王子に戻ってきた後、そこから車で約10分の場所にある「高原霧の里」と呼ばれる駐車場付きの休憩所で、この眺望を味わってください。

歩いてすぐの場所には、600年以上前に建てられたとされ、朱塗り檜皮葺で春日造の社殿が特徴的な「高原熊野神社」もあるので、こちらの参拝もぜひ。

子連れの夏旅に「SEN.RETREAT TAKIJIRI」が向いている理由
TAKIJIRIには、川遊びシーズン限定で11:00から施設の一部を利用できることや、手持ち花火を楽しめることなどに加え、子連れの夏旅を過ごしやすくしてくれるポイントがいくつかあります。
まず、和歌山産の食にこだわったオールインクルーシブタイプであること。
川遊びを楽しむ子連れの滞在は、どうしても荷物が多くなりがち。その点、TAKIJIRIは、バスタオルや作務衣などのアメニティに加え、食事や飲み物、お菓子類まで揃っています。
子どものパジャマやスキンケア用品など、最低限の荷物だけで滞在しやすいのは、子連れ旅にはうれしいところ。そのうえ、和歌山らしさまで存分に味わえます。

次に、客室ごとに水回りが備わっていること。
一棟貸切の宿といえば水回りは共有のパターンが多いですが、TAKIJIRIは各部屋に洗面所・トイレ・シャワールームが備わっているので、川遊びのあとの着替えもスムーズ。寝かしつけの時間から逆算してシャワーを順番待ちするストレスとも無縁です。
シャワールームにはラックやフックも備え付けられているので、半乾きの水着を干すのにも便利。2階には洗濯機と乾燥機もあり、しっかり洗って乾かすこともできます。

また、リビングとキッチンがつながっているのもポイントです。
晩酌やデザートタイムを楽しんだり、翌朝の朝食をとったりするときも、リビングにいる子どもたちを見守りながら、準備や片付けを進めやすい造りになっています。
夕食は屋外で行うBBQのほか、鹿肉のすき焼きや猪肉のしゃぶしゃぶ(冬〜春限定)からも選択可能。火おこしに自信がない場合は、キッチンで調理してリビングでゆったり味わうのもおすすめです。

最後に、TAKIJIRIの周囲に民家がほとんどないことも大きな特徴です。
子どもの声が近隣の迷惑にならないかと気を張ることなく、家族や友人たちとのびのびと過ごせます。
TAKIJIRIは国道沿いにありますが、斜面に建てられていることもあり、窓を開けると聞こえてくるのは川と森の音。自然に包まれながら、心が解きほぐされる時間をご堪能ください。

滝尻周辺のテイクアウト・イートインの昼食スポット
GoogleMapで上富田ICからTAKIJIRIまでのエリアを表示して「テイクアウト」と検索すると、午前中には完売する人気のサンドイッチ屋「Chat blanc tartine(シャブランタルティーヌ)」をはじめ、数軒の飲食店が見つかります。

くまのこジャーナルで過去に紹介された「ねむの木食堂」のほか、鮎掛けとそうめん流しが体験できる夏季限定の飲食店や、白焼が美味しいうなぎ料理屋など、滝尻周辺には魅力的なイートインの店もいくつかあります。
定休日をチェックしながら、1日目または2日目のお昼に訪れてみてください。
アクセス・基本情報
今回ご紹介した「SEN.RETREAT TAKIJIRI」は、和歌山県田辺市中辺路町、熊野古道・中辺路ルートの入口として知られる滝尻王子のほど近くにあります。
高速道路・紀勢自動車道の上富田ICから車で約25分。国道311号沿いに位置しており、熊野本宮大社方面へ向かう途中にも立ち寄りやすい立地です。
宿は一棟貸切で、家族旅行はもちろん、複数家族や友人グループでも滞在しやすい造り。和歌山産の食にこだわったオールインクルーシブタイプとなっています。
チェックインは15:00から。セルフチェックイン制なので、子どものトイレ休憩などで到着時間が多少遅れても、慌てずに安全運転でお越しくださいね。
さらに、川遊びシーズン限定で、予約時にオプション項目を選択すると、11:00から施設の一部を利用できるため、川遊びを中心にゆったり滞在したい方にもおすすめです。
「子どもと川遊びをしたい」や「熊野古道を歩いてみたいけど、いきなり長距離は不安」――そんな方はぜひ、“熊野古道の入口に泊まる夏旅”から始めてみてはいかがでしょうか。
▼熊野古道沿いに姉妹宿あり
TAKAHARA(高原) /CHIKATSUYU(近露)/HONGU(本宮)
※writer:FootPrints 前田 有佳利