還暦目前で迷うセカンドキャリア 神聖な道で過去を振り返り、感謝の念を強く持つ【熊野古道で人生を考える旅/モニターツアー】
SEN.RETREATは、熊野古道を2泊3日かけて歩き、内省するツアー「人生を考える旅」を本格始動させるにあたり、2023年12月にモニターツアーを開催しました。
キャリア・結婚・セカンドライフ・別れなど、人生の節目に直面している方を募集し、熊野古道を歩くことで内面にどのような変化が起こるのかヒアリングを通して分析し、実際のツアー開発につなげる試みとしました。
この記事では、モニターツアーに参加された方が熊野古道を巡礼した際に、どのように心境が変化したのか、お話を伺いました。
《参加者紹介》
木村頼男さん(57)
公務員として30年以上勤め上げてきた。趣味は山登り。
――現在直面している「人生の節目」は何ですか?併せて、本ツアーに参加しようと思った理由も教えてください
還暦を数年後に控えており、どのようなセカンドキャリアを送るか考えるようになりました。
今まで仕事中心の生活をしてきましたが、セカンドライフについてのはっきりとしたビジョンはまだ描いていません。
今の仕事は60歳を過ぎても希望すれば続けられるのですが、このまま続けるのか、それとも新しい仕事をしてみるのか、まだ決めかねています。独身なので、今と違う土地に引っ越すこともありかなと考えているところです。残された時間を使って、自分は果たして何をしたいのか、何ができるのか、自分の内面と向き合って考えたいと思い、参加しました。
元々山登りは好きなのですが、普段は歩くこと自体が目的になっていて、歩きながら内省したことはありません。なので、今回はどのような内省ができるのか、楽しみにしていました。
熊野古道では、神聖な空気を感じながら自分探しもしてみたいです。
宮城県に住んでいるので、熊野古道は遠い未知の地という印象を持っており、ついに足を踏み入れられて嬉しいです。
――実際に訪れてみて、いかがでしたか?
熊野古道には独特の空気が漂っていて、不思議と神聖な気持ちになれました。冬なのに風が穏やかで、自然の懐に入ったような気分でしたね。いつもの登山以上に、歩くことに没頭できました。
結局、60歳以降の暮らしについてはまだ整理がついていませんが、心の内面の一部に刺激を受けた気はします。これまでの人生を振り返り、思いをはせる時間を多く取ることができました。
他人を傷つけてしまったことや、お世話になったことなど、色々思い出して、周りに対する感謝の気持ちが強くなりましたね。良い時間を過ごせた実感があります。
今関わっている人に対しても、これまで以上に感謝の気持ちを持とうと、気持ちが改まりました。
――また人生の節目に直面する際は、熊野古道を訪れたいですか?
きっとそう遠くないうちに、また吸い寄せられるように熊野古道を訪れている気がします。
熊野古道に住むのもありかもしれないとも思ったので、移住している可能性もありますね(笑)
★このモニターツアーを通じて開発した、内省を手助けするジャーナリングシート(セカンドライフ編)をダウンロードできます。熊野古道を歩く際に、ぜひプリントアウトして持ち歩き、活用してみてください。