熊野古道のPR戦略を考える合宿型ワークショップ 講師陣による振り返り

2024.01.10

日本ユニストが和歌山県・熊野古道で運営する1棟貸し宿「SEN.RETREAT TAKAHARA」で先日、熊野古道のPR戦略を考えるセミナー合宿「Kansai Marketing Camp in 熊野古道」が開催されました。

地方の活性化に第一線で取り組むマーケターやPRパーソンら3名とともに、熊野古道を「人生の節目で歩く道」と定義づけ、そのイメージを浸透させるための施策を2泊3日で考え抜いたイベントとなります。
セミナーの簡単なレポートはPRTIMESで公開していますが、ここでは講師陣に改めて、熊野古道を訪れて感じたことや、セミナー内容などを振り返っていただきました。

【講師】※敬称略

株式会社しんめ 代表取締役/ PR
下村 彩紀子 

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The Breakthrough Company GO Business Producer
平野 美優  

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HONE Inc. 代表取締役/マーケター
桜井貴斗 

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株式会社日本ユニスト SEN.事業部 / マーケター
大﨑 庸平 

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この場所をどう守り抜き、生かすか?

大﨑:熊野古道を初めて訪れてみて、いかがでしたか?

下村:2日目のワーク前に中辺路の滝尻~高原を、3日目に発心門~熊野本宮大社を歩きました。普通の登山と違って山頂だけを目指すわけではないからこそ、自分でゴールを決めて歩けるのがいいなと思いました

1日目には、田辺市熊野ツーリズムビューローの方から、観光プロモーションなどについてレクチャーしていただきましたが、「この場所をどう守り抜き、生かしていくか」という視点を大事にしていることにハッとさせられましたね。東京でPRの仕事をしていると、どうしても「いかに大きく話題化するか」という観点で見てしまうこともあるので、良い気付きを得られました。
トレッキングの道中で地元の方とお話する機会もありましたが、よそ者扱いがなく、地域を訪れる人を広く受け入れていらっしゃるところも印象的でした。

平野:私も、人と場所がここ熊野古道の空気を作っているんだなと感じました。サウナの中や豊かな自然の中で話すと素の自分を曝け出すことができ、参加者の距離が一気に距離が縮まったように思います。都会のオフィスで「目の前の仕事に追われる中では」得られない学びがありました。都会のオフィスで通知が鳴りやまない生活をしている状況では、得られない学びがありました。

桜井:熊野古道を訪れるのは今回が2回目だったのですが、熊野古道にいると、もともと考えていたことについての思考が深まるというか、何か確信めいたものへと徐々に変わっていく気がするんですよね。意識しなくても自然と、内省できているというか。熊野古道全体が瞑想空間のように感じます

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各々の手法を持ち寄り、解を導く

大﨑:講師のもとに各7名ほどの参加者がついてワークを行いましたが、そちらはいかがでしたか?

平野:私はブランディングから入り込んで手掛けるのが得意な会社で働いているのですが、同じチームのメンバーでSEOが得意な方だと市場分析から入ったりとか、色々な手法を持った方がいて、自分が持っていない思考を知れたのが面白かったです。
普段は東京をはじめとしたマスに対してのアプローチをしていますが、地方マーケは全く違うアプロ―チが必要だとか、違いを知れたのも興味深かったですね。これをもとに、地方マーケで1つ成功体験をおさめられたら、他の地域にも広げていけそうだなとワクワクしました。

まず、「who / what」を決めることになりました。色々話した結果、メンバー全員に共通していたのが転職経験者だということ。そこで、「キャリア」というテーマを深堀りして、「熊野古道=人生を更新する場所」という答えを導き出しました。
私はいつもwhoとwhatに時間をかけますが、howから入ってwho・whatに戻る人もいたので、自分とは違う取り組み方に触れられて勉強になりました。

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別れ→ロスの聖地=熊野古道

下村:大﨑さんから、「別れ」「セカンドライフ」「出会い」「キャリア」の4つの節目に合わせたジャーナリングブックを作っているところだと最初に説明を受けたので、私のチームはそこからまず考え始めました。
「ネガティブな感情の方が旅行に行く動機になるんじゃないか」と考え、「別れ」のくくりの中でも、死別という重い別れから、失恋などの軽い別れまでを対象とする「熊野古道=ロスの聖地」とした企画を考案しました

チームには、各領域で知見がある方々が集まっていたので、私が全体のストーリーの作り方を大まかに決めて、そこの穴埋めを全員で行っていきました。反省点としては、どうしてもhowに寄った話になってしまったので、上段を決めてメンバーにシェアする機会が少なくなり、決め打ちになってしまったことです。
一方で良かった点は、それぞれ違った強味を持つメンバーが揃っていて、各々の知見を活かしたプランニングができたことです。ただ参加者全体で見てもPRパーソンが2人しかいなかったので、もうちょっといたら良かったなと思います。

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すでに築かれたブランド資産を守りながら、ブランドをつくる

桜井:前回は1チーム3~4人だったところ、今回は6~7人いたので、まず最初に参加目的や熊野古道の捉え方などをヒアリングして、共通認識を持つようにしました。
企画案については、熊野古道だからこそできることを重視して考え、今後増加していくシニアを対象として、「自分の過去に決別ができること」を打ち出した内容としました。

1日目にビューローの方のお話を聞いて思ったのですが、熊野古道のように世界遺産として20年間も地元の人に守り続けられてきて、しっかりとしたブランド価値が根付いている場所ってかなり貴重だなと。だからこそ、ブランドを毀損しないようにネガティブなイメージは企画案から外して進めました。
ブランド資産の上でブランドを作るのか、何もない土地で一からブランドを作るのかでいうと、全然戦い方が違ってきます。

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大﨑:お三方の話を聞いて、リーダーの色がそれぞれ出たのかなと感じました。桜井さんはブランド毀損やwho/whatから落とし込むところを重視していて、下村さんはコミュニケーションプランというお題に対してこれまで得た知見を活かして、どうすればメディア露出ができるかを考えている。
平野さんはアイディエーションが多めで、実体験に即したwho/whatを作っていただいたんだと捉えています。

他の地方も含めて、3回目となるイベントも近い将来、開催できればと考えています。そのときはぜひまた、よろしくお願いします!

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