和歌山県が推進するジビエ活用|おいしい食べ方や、普及への取り組みとは
SEN.RETREATでは毎年秋から冬にかけて、猪肉のしゃぶしゃぶ鍋を提供しています。
地元で捕獲された猪肉は腕の良い解体師がさばくため、臭みがないさっぱりとした味わいで、多くのお客様からご好評いただいています。
実は、和歌山県のジビエは「わかやまジビエ」というブランド名で、ひそかに人気を集めているのをご存知でしょうか?東京など他県の飲食店から仕入れの依頼が寄せられることも増えており、そのおいしさはじわじわと知られつつあるところ。
そこで、「わかやまジビエ」の普及に取り組んでいる和歌山県 農林水産部 農業生産局 畜産課に、県内の獣害の現状や、おいしいジビエの食べ方について聞いてみました。
――和歌山県はジビエの普及に力を入れて取り組まれていますね。和歌山で取り扱われているジビエについて教えてください
「わかやまジビエ」として扱っているのは、イノシシとシカの2種類です。有害捕獲対策等で毎年合わせて、県内で約3万頭が捕獲されていますが、捕獲時の状態が良くない場合も多く、そのうちジビエとして利用されるのは約2,000頭になります。
野生鳥獣による農作物被害額は毎年約3億円の規模となっており、農家や地域住民に深刻な被害をもたらしています。そこで、捕獲されたイノシシ、シカを有効活用するため、ジビエ利用を推進しています。
――ジビエの活用制度はどうなっていますか
ジビエの処理施設は県内に24カ所あって、そのうち県の認証施設は5カ所あります。
SEN.RETREATにジビエを卸している「ひなたの杜」も、認証施設の1つです。
県では安全なジビエ提供のため、HACCPに沿った衛生管理や商品の履歴管理等を導入した施設を認証しています。また、全国で初めてジビエを格付する肉質等級制度をつくり、飲食店や消費者が目的に応じたジビエを購入しやすくしています。
格付けは主に脂身の厚さによりイノシシで3、シカで2等級に区分されており、例えば、ぼたん鍋は脂身が多いAランクが好まれ、カレー等の煮込み料理には脂身が少ないB、Cランクが好まれます。肉質等級制度は、料理に合わせて最適なジビエを提供できるようになっています。
――おすすめのジビエの食べ方があれば、教えてください
猪肉は定番のぼたん鍋など煮込み料理はもちろん、ミンチにしてミートソースやタコライスにするとおいしいです。
ジビエに抵抗がある方には、合挽肉にしてハンバーグとして食べるのがおすすめです。
県庁の食堂では毎年イベント初日に限定メニューを提供しているのですが、薄切りの猪肉を重ねてフライにしたミルフィーユカツが好評でした。
――県内の飲食店を巻き込んだ「わかやまジビエフェスタ」が好評だそうですね。
わかやまジビエフェスタは、県内の飲食店約90店でジビエ料理を食べた方に、抽選で食事券や宿泊券をプレゼントするキャンペーンです。お肉に脂がたっぷり乗る12月~2月に、毎年開催しています。
ジビエは臭みがあるイメージを持っている方や、馴染みがない方も多い。そこで県民の方にジビエに親しんでもらおうと、2011年からこの試みを始めました。当時の県知事がジビエ好きだったことも背景にあります。毎年欠かさず参加する方や、いろいろなお店を回っている方もいますね。
――SEN.RETREAT TAKAHARAも、2022年度のわかやまジビエフェスタに参加しました。今年も引き続き、新鮮でおいしいジビエをご用意してお客様を迎えたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします!