車で行く?電車で行く?世界遺産・熊野古道へのアクセス方法
気軽に海外旅行に行けなくなってしまった昨今。この機会に、日本中の世界遺産を巡ってみるのはいかがでしょうか。
今回は、和歌山県など4県にまたがる世界遺産・熊野古道へのアクセスをご紹介。「道」として登録されている世界遺産は世界に「熊野古道(紀伊山地の霊場と参詣道)」とフランス/スペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路」のたった2箇所だけなんです。
こんな珍しい世界遺産が日本にあるなら、行かない手はない!!
熊野古道ってどこにあるの?
熊野古道ーー正式名称「紀伊山地の霊場と参詣道」は、和歌山県、三重県、奈良県、大阪府にまたがる古道です。紀伊半島を縦横断し、熊野三山と呼ばれる熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社へ繋がる参詣道のことを指します。
熊野古道は一本道ではなく、主に中辺路・伊勢路・小辺路・紀伊路・大辺路という5つのルートから成っています。平安時代から、多くの人が熊野三山を目指して歩いたんですよ。
熊野古道の最寄駅はどこ?熊野古道を散策するのにおすすめの駅3選
先ほどお伝えしたように、「熊野古道」と一言で言っても範囲は広く、多くの分かれ道があります。全長は600kmと言われており、バスや自家用車を併用して短時間のトレッキングをすることも可能ですし、体力に自信があれば数日かけて数十キロを歩くこともできます。また、要所要所に歴史的な建造物や神社、見晴らしの良い展望台など欠かせないスポットがあります。
まずは、熊野三山を目指して熊野古道を訪れる際に便利な駅を3つご紹介しましょう。
紀伊田辺(きいたなべ)駅|JR西日本・紀勢本線
熊野三山のうち、熊野本宮大社を訪れたいなら紀伊田辺駅がおすすめ。
新大阪駅から特急くろしおで2時間8分です。
紀伊勝浦(きいかつうら)駅|JR西日本・紀勢本線
和歌山県那智勝浦市にあるのが「那智勝浦駅」。熊野三山の一つである熊野那智大社に最も近い駅です。有名な「那智の滝」をみたいならこの駅を利用しましょう。
新大阪駅から特急くろしおに乗って4時間です。
新宮(しんぐう)駅|JR西日本/JR東海・紀勢本線
和歌山県新宮市にある新宮駅は、熊野速玉大社にほど近い駅です。
名古屋駅から特急ワイドビュー南紀で3時間19分、新大阪駅から特急くろしおで4時間16分です。新大阪駅からくろしおに乗ると、那智勝浦駅の次の駅になります。
日本各地から熊野古道への行き方
それでは、日本各地から熊野古道を訪れるときのアクセス方法をご紹介します。
東京・名古屋方面からのアクセス
関東・東海方面からは、空路と陸路でアクセスしやすい駅が異なります。
空路の場合は南紀白浜空港から近い紀伊田辺駅へいくのが最短ルート。陸路の場合は、名古屋経由で新宮駅へ行くのがおすすめです。
公共交通機関を利用する場合
最短時間で熊野古道を訪れたいなら、羽田空港ー南紀白浜空港間の飛行機を利用しましょう。1日3便運行されています。(2022年3月現在)
羽田空港ー(飛行機:1時間10分)ー南紀白浜空港ー(連絡バス:20分)
ー白浜駅ー(電車:10分)ー紀伊田辺駅
電車で向かいたい場合は、新幹線で名古屋駅まで行き、特急ワイドビュー南紀に乗り換えて新宮駅まで行きましょう。
東京駅ー(新幹線:1時間40分)ー名古屋駅ー(特急:3時間20分)ー新宮駅
安価さを重視したいなら、高速バスも便利。体力があれば深夜高速バスを利用して日帰り旅行することもできますよ。
日中は名古屋から新宮駅まで、夜間は大宮・池袋・新宿・横浜から新宮駅までの高速バスが運行されています。
名古屋ー(高速バス:約4時間半)ー新宮駅
大宮ー(高速バス:11時間40分)ー新宮駅
※関東ー新宮便は新型コロナウイルスの影響で2022年3月時点で運休しています。
自家用車を利用する場合
ドライブが好きな方や、新型コロナウイルス対策として、自家用車で向かいたいという方もいらっしゃるでしょう。
例えば東京から熊野那智大社へ向かう場合は、東名高速〜第二東海自動車道〜伊勢湾岸自動車道〜名古屋亀山線/東名阪自動車道〜伊勢自動車道を通るルートが最短で、約7〜8時間ほどの道のりです。(休憩除く)
また、南紀白浜空港からレンタカーを借りて熊野三山を回ることもできますよ。
南紀白浜空港ー(レンタカー:1時間15分)ー熊野本宮大社ー(レンタカー:1時間)ー(レンタカー:35分)ー熊野速玉神社
大阪・和歌山方面からのアクセス
大阪方面から熊野古道を訪れるなら、電車が便利!他の地域と比べてアクセスが良いので、日帰り旅行も可能です。
公共交通機関を利用する場合
特急くろしおは新大阪駅が始発、新宮駅が終点です。全行程は4時間23分。
新大阪駅ー(特急:2時間12分)ー紀伊田辺駅ー(特急:1時間48分)ー紀伊勝浦駅ー(特急:10分)ー新宮駅
※一部京都駅から運行している便もあります。和歌山駅ー(特急:1時間10分)ー紀伊田辺駅ー(特急:1時間48分)ー紀伊勝浦駅ー(特急:10分)ー新宮駅
安価さを重視するなら高速バスもあります。運賃は3000円〜となっています。
難波駅ー(高速バス:3時間)ー紀伊田辺駅
大阪駅ー(高速バス:3時間20分)ー紀伊田辺駅
また、京都駅と高野山とを往復する高速バスが2022年4月22日から運行開始となりました。高野山から熊野本宮大社まではアクセスしやすいので、京都にお住まいの方はこちらのルートもご検討ください。
※2022年4月22日(金)~ 11月27日(日)まで運行
自家用車を利用する場合
大阪から熊野本宮大社は国道168号を通って約3時間、熊野那智大社と熊野速玉大社は松原那智勝浦線を通って約4時間です。
和歌山市内から熊野本宮大社は、松原那智勝浦線と阪和自動車道を利用して約2時間半、熊野那智大社や熊野速玉大社は約3時間です。
四国からのアクセス
高松から紀伊田辺駅まで電車で行くこともできますが、徳島からであればフェリーという選択肢も◎
公共交通機関を利用する場合
できるだけ短時間で行きたいなら、新幹線を併用するアクセスがおすすめ。
高松ー(マリンライナー:52分)ー岡山ー(新幹線:45分)ー新大阪ー(特急:2時間12分)ー紀伊田辺駅
徳島港の近くにお住まいなら、和歌山港経由で熊野古道を訪れるのもアリ。フェリーに車両を積み込むことができるので、和歌山港からは自家用車で移動することもできますよ。
徳島港ー(フェリー:2時間10分)ー和歌山港ー(バス:25分)ー和歌山駅ー(特急:1時間15分)ー紀伊田辺駅
自家用車を利用する場合
高松から熊野三山までは淡路島を経由して松原那智勝浦線を通るルートで約5時間半〜6時間の道のりです。
前述したように、フェリーを利用して自家用車を積み込み、和歌山港から車を利用することもできます。和歌山港から熊野本宮大社までは約2時間半で到着します。
その他の地域からのアクセス
最後に、北海道、東北、中部、九州、沖縄などからのアクセス方法をご紹介♪
公共交通機関を利用する場合
飛行機、電車それぞれの場合についてみていきましょう。
飛行機
残念ながら、南紀白浜空港は羽田との往復便しか運行していません。そのため、飛行機を利用する場合は羽田での乗り換えが生じます。
代わりに、関西国際空港を利用することもできます。関西国際空港であれば、北海道から沖縄まで、多くの空港が往復便を運行しています。関西国際空港から熊野古道までのアクセスは以下の通り。
関西国際空港ー(電車:2時間半)ー紀伊田辺駅
※乗り換えが3〜4回生じるルートです。関西国際空港ー(レンタカー:約3時間)ー熊野本宮大社
電車
北陸や九州など、新幹線や特急列車で新大阪駅まで行くことができる場合は、電車でのルートをおすすめします。
例えば、博多や金沢からのアクセスは下記の通り。
博多ー(新幹線:2時間半)ー新大阪ー(特急:2時間12分)ー紀伊田辺駅
金沢ー(サンダーバード:2時間半)ー新大阪ー(特急:2時間12分)ー紀伊田辺駅
世界遺産・熊野古道へ行こう!
決してアクセスの良い場所にあるとは言えない熊野古道ですが、わざわざ訪れるだけの価値がある場所。「道」として世界遺産に登録されている希少性や、古くから多くの人が歩いた歴史を感じたり、トレッキングを通じて自分自身に向き合う時間にしたり。熊野古道を訪れるメリットはたくさんあります。
熊野古道沿いには多くの宿泊施設があるので、せっかく訪れるなら数日間ゆっくり過ごしてみるのもおすすめです。